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今、そこにある危機。@それいけ!BPO!

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真実を得るためには、全てを疑え

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東一が友達とかくれんぼをして遊んでいるときに、文字がいっぱい書いてある大判の紙(新聞)を見つける。夕方になって東一その新聞をいじっていると、おじいさんがやってきて昔の話をしてくれた。

50年ぐらい前、巳之助という少年がいた。ある日、人力車を引く手伝いをして行った町で巳之助は初めて新聞という物を知った。瓦版しか知らなかった巳之助はその情報量に感動し、自分の村にも広めたいという思いから、新聞を一つ格安で売ってもらった。最初は相手にしなかった村人も次第にその情報量や便利さに気づき商売として成り立つようになった。

そうしてしばらく経った頃巳之助は、インターネットというものが引かれて新聞なんて物は時代遅れになる、という話を聞いてショックを受けた。巳之助の反対もむなしく、間もなく巳之助の村でもインターネットを引くことになった。巳之助は錯乱し、インターネットの導入を決めた区長さんの家に火をつけようと考えた。決行の日、マッチが見つからず火打ち石を持ってきた巳之助だったが、火打ち石ではなかなか火がつかなかった。「古くせえなア、いざというとき間にあわねえ」とつぶやいた巳之助は、古くさくて間に合わなくなったのは新聞だって同じじゃないかと卒然として悟ったのだった。巳之助は家に帰ると商売物のすべての新聞に火を灯して焼き始めた。しかし途中、煙が目に染みて涙が止まらなくなった。その日以来、巳之助は新聞屋をすっぱりとやめ、町に出て本屋になった。

話し終えたおじいさんに東一は、残りの新聞はどうなったのか、と聞いた。おじいさんは、この新聞だけが残って後はどうなったかわからないと答えた。損しちゃったね、と東一が言うとおじいさんはこう言った。

でも、われながらあの時のやめ方は立派だった。あの時でも新聞の売れ口はまだあったかもしれない。
それでも世の中が進歩して自分の商売が役に立たなくなったらすっぱりそいつを捨てて、昔にすがりついたり時代を恨んだりしてはいけないんだ。


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by hotwired2010 | 2006-02-03 17:09 | ネタ